印刷レポート

2021.11.05

今回の研究レポートはシルバーインキの表現についての報告です。

1.はじめにシルバーインキと用紙の相性を調べてみました。

下の絵柄を、それぞれコート紙・マット紙・上質紙・ヴァンヌーボ・カフェラテ・エゾマツクラフト・高透明の計7種類で印刷して定着や表現を比べてみました。


今回の絵柄の検証では下記のような結果になりました。

絵柄や紙の厚さなどによって異なることもありますので、あくまでも参考まで・・・。

2.写真に対してシルバーインキを色々な形で使ってみました。

●イメージ写真に対してシルバーインキを活用した事例です。

左側の写真が元画像になります。真ん中の写真は、上がシアンの調子をそのままシルバーの調子へコピーしています。また、下の写真はマゼンタの調子をシルバー調子へコピーしていますので、シルバーインキ自体も網で表現しています。対して、右側の写真はにシルバーのベタに対して元画像を乗算しています。
このような背景などで使用するイメージ写真などはメタリックカラー的な使い方もできますので、写真や使い方次第で様々な表現ができるように感じました。

●続いては、写真の物に対してシルバーを使用した事例です。

先ほどと同様に左側が元の画像となります。今回は扇子とヒマワリの写真を用意しました。
真ん中の写真はそれぞれ上が扇子に対してシルバーインキをのせたパターン、下はひまわりの花に対してシルバーをのせたパターンです。また、右側の写真はそれぞれのバックに対してシルバーをのせたパターンとなっています。
所感ですが、金の写真にシルバーインキを入れると「もう少し輝いた表現ができるのでは」と思い、今回の事例を作りましたが、結果は失敗に終わりました。写真で予め綺麗な色で表現されているものに関してシルバーインキを入れると逆にシルバーインキが邪魔をして商品が暗くなる傾向になりました。

●次に紹介する事例はゼラチンシルバープリント風にならないかな?と思って作った事例です。
ゼラチン・シルバー・プリントとは、簡単にいうと一般的に「銀塩写真」と呼ばれているものです。

モノクロ写真のデータに対してシルバーを混ぜることでモノクロ写真にもっと深みが出ないか試してみました。写真は併せて4点あります。上の画像が元画像で下の写真がシルバーを混ぜた写真になります。実際の印刷物では少しではありますが光沢感があり深みが出ていると、あくまでも個人の感想ですがそう感じます。写真の表現に興味がある方は是非試していただければと思います。

●最後の事例です。少し傾向を変えています。
シルバーインキを乗算したらどのような表現になるのか気になったので試してみました。

画像の通りシルバーの乗算の表現は出来ますが、シルバー自体の光沢感は失われがちとなります。ですが、これも、使い方次第だと考えています。画像を見て頂く限り、バックが濃い部分はシルバー感が弱くなりますが、バックが薄いところに関してはシルバー感は生きていますので、使い方に応じて乗算も試していただければと思います。

今回の研究レポートは、シルバーインキが表現できる可能性のほんの一部だと考えています。インサツビトではそれだけシルバーインキができる表現の可能性に期待も込めています。是非、皆様のさまざまなアイデアでシルバーインキをご活用いただければと思いますので、よろしくお願いします。

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