2022.02.18
活用技術:プレミアムホワイト・シルバーインキ/白押さえ
「オーラル歯みがき道 はじめるの巻」
サンスター株式会社 様/design 柏原まりえ
「製品カタログ用挨拶状」
株式会社日本HP 様/design 吉川富美子
今回は、エゾマツクラフトを使った印刷物をご紹介いたします。
エゾマツクラフトはその名の通りエゾマツという木の端材を使用している板紙です。
古紙パルプ配合率100%の再生紙であり、表面にはエゾマツの端材が散りばめられています。
カラー展開は3色、さらにオモテとウラでも色が異なります。
3色はそれぞれ「うす茶」「こい茶」「くろ茶」です。
そんなエゾマツクラフトを使用して制作した印刷物がこちらです。
まず「オーラル歯みがき道 はじめるの巻」から詳しく見ていきましょう。
「オーラル歯みがき道 はじめるの巻」はエゾマツクラフトのうす茶を使用しています。
プレミアムホワイトインキは2回重ねて印刷しており、文字だけでなくベタ面もはっきりとした白色です。紙本来の色である茶色も透けていません。
しかし、ただプレミアムホワイトインキを重ねて濃い白色を表現しているだけではありません。こちらの模様は白のベタとアミで構成されており、用紙の色の透け具合の差を利用して表現されています。エゾマツクラフトの濃い茶色がこういったデザインを可能にしています。
また、こちらのリーフレットではプレミアムホワイトインキを白色の表現以外にも使用しています。
エゾマツクラフトへCMYKをそのまま印刷すると写真のように用紙の色が強すぎて絵柄がはっきりと見えません。そのため今回のリーフレットはCMYKの下にプレミアムホワイトインキを印刷し、用紙の色の影響を受けないようにしています。このようにプレミアムホワイトインキを他のインキの下地として印刷することを、インサツビトでは「白押さえ」と呼んでいます。
それでは続いて「製品カタログ用挨拶状」を詳しく見ていきます。
「製品カタログ用挨拶状」はエゾマツクラフトのくろ茶を使用しています。
プレミアムホワイトインキは1回の印刷です。先ほどの「オーラル歯みがき道 はじめるの巻」の白色と比べると用紙の色の濃さも相まって少し用紙の色が透けたような白色です。このように用紙の色の影響を受けた白色は柔らかい印象になります。
こちらの挨拶状ではプレミアムホワイトインキ以外の特殊インキも使用しています。
そのインキはシルバーインキです。こちらのシルバーインキは下にプレミアムホワイトインキを印刷し白押さえをしています。そのため光度も高く、シルバーインキの輝きが表現できています。(※他のCMYKもすべて白押さえをしています。)
元々エゾマツクラフトはシルバーインキとの相性がいいためそのままシルバーインキを印刷してもシルバーは表現できます。ただしエゾマツクラフトに限らずよりシルバーの輝きを求めるのであれば白押さえをした方がいい場合が多いです。
いかがでしたでしょうか?
どちらもエゾマツクラフトと特殊インキの性能をふんだんに利用した印刷物でした。
次回の事例紹介もお楽しみに。