2022.03.04
印刷Lab.で行うインサツビトによる印刷実験。
今回は印刷物でよく使用されている紙への印刷実験を行いました。
使用した用紙はレザックシリーズの「レザック66 さくら」と「レザック16 はなだ」です。レザックシリーズは革のような模様と質感が特徴の用紙で、名前の番号は発売年度を指しています。1966年に発売開始されたレザック66は50年以上経過した今でも冊子の表紙などによく使われている用紙です。
今回はそんなレザック66と2016年に発売開始したレザック16へ印刷をしてみました!
まず、レザック16へ印刷した実験結果から見ていきましょう。
レザック16はレザックシリーズの中でも特に本物の革っぽさが感じられる模様の用紙です。また色展開も豊富でその中に蛍光色が含まれているのも特徴のひとつです。
レザック16 はなだにはそれぞれ「スミ」「シルバー」「プレミアムホワイト」を1色ずつ印刷しました。シルバーとプレミアムホワイトは2回重ねて印刷しています。
それでは印刷物をご覧ください!
一見すると何の問題もなく印刷できているようですが、近づいてみるとところどころインキが乗っていない(抜けがある)部分があります。溝が深い部分にインキが入りきらなかったことが原因です。すべての範囲ではありませんが、絵柄のベタ面が大きい部分はは仕上がりのかすれが目立ちました。
インキ別でみると2回重ねて印刷しているためかホワイトが一番はっきりと印刷されていました。しかしホワイトも溝が深い部分はかすれている部分がありました。また裏面の定着は表面とそれほど差はありませんでした。
シルバーの光度には写真は光の加減で光っているように見えますが、実際はあまりシルバー感はありません。
それでは続いてレザック66へ印刷した実験結果をご覧いただきます。
レザック66はレザック16と比べると1つ1つの溝が深くはっきりとした模様です。色展開も非常に豊富ですが古くからある用紙のため廃版となっている色も多く存在します。
こちらのレザック66にはレザック16と同様にレザック16 はなだにはそれぞれ「スミ」「シルバー」「プレミアムホワイト」を1色ずつ(シルバーとプレミアムホワイトは2回)、さらに4色カラーも印刷してみました。
それでは印刷物をご覧ください!
こちらも綺麗に印刷できているように見えますが、溝が深い部分が抜けやかすれが発生していました。インキ別でみるとレザック16と同様に2回印刷しているのも影響していますが、ホワイトが一番しっかり印刷できていました。
表面よりも裏面の方がつるつるしているためきれいに印刷できていましたが、溝の深さは変わらないので表面同様、抜けている部分はありました。
またシルバーの仕上がりはレザック16よりもかなり光度がありました。ただし裏面は上質紙のような感じで平滑な分浸透するのかあまりシルバー感はありませんでした。
実験の結果からレザック16・レザック66どちらもインディゴ7Kで印刷は可能ということがわかりました。しかしインキのぬけは必ず発生するため、どのような絵柄をどのように仕上げたいかによって向き不向きがありそうです。
いかがでしたでしょうか?
ぜひ今回の実験結果を活用いただき、クリエイティブの幅を広げてみてください!