2023.05.22
黒いベタの印刷
印刷Lab.で行うインサツビトによる印刷実験。
今回はデジタルオフセット印刷機であるインディゴ7K使って黒いベタの印刷を実験してみました。
以前、黒い紙へ黒い印刷の実験を行いましたが今回は白い紙へ黒いベタを印刷しています。
今回使用した用紙は3種類です。
まず上質紙。こちらは用紙の中でも特に安価で、表面に塗工がされていないため、マットな仕上がりになります。またペンだけでなくシャーペンなどでも書き込みがしやすいという特徴のある用紙です。
次にマットコート系であるシルバーダイヤ。こちらも上質紙同様、用紙の中では安価な用紙です。コート紙ほど表面のグロス感はありませんが、上質紙に比べるとマットというより上品なグロス感が目立つ用紙です。
最後はヴァンヌーボV スノーホワイト。こちらはファインペーパーと呼ばれる特殊印刷用紙で、ざらっとした質感と印刷面にグロス感がでる特徴があります。
それでは早速それぞれの用紙へ印刷した仕上がりをご覧いただきましょう!
まずは上質紙へスミ100%を印刷したサンプルです。
デジタルオフセット印刷機であるインディゴ7Kは印刷回数を機会で変更するとができるため、今回は1回・2回・3回・16回(1回の印刷で重ねられる最大数)の4パターンを印刷しています。
スミ100%でもきれいに印刷できていますが、所々ムラが生じています。ただしこのムラは2回重ねるとほとんど目立たなくなりました。
また、上質紙は色が浅く出やすい傾向があり、スミ100%も少しグレーっぽさがあります。しかしこちらも2回・3回と重ねると深みが増し、上質紙へスミ1色でも強い黒を表現できます。
16回重ねるとまるで他の機械で印刷したかのような仕上がりです。上質紙へ印刷したとは思えない強いグロス感があります。
それでは続いてシルバーダイヤへ印刷したサンプルをご覧いただきましょう!
シルバーダイヤはスミ100%1回印刷でもはっきりとした黒色が表現できています。しかし2回重ねたものと比べると重ねた方がさらに黒いことが写真でもわかります。ただし、2回と3回はそれほど大きな差はありませんでした。
シルバーダイヤへスミ16回印刷するとやはり通常の印刷よりかなりグロス感がでていました。しかし黒さに関しては、2回以上はそれほど大きな差がないように思います。
続いてヴァンヌーボV スノーホワイトへ印刷したサンプルをご覧いただきましょう。
ヴァンヌーボV スノーホワイトは元々印刷の発色が良い用紙のため、スミ100%1回印刷も綺麗な仕上がりです。ただし用紙がざらっとした質感のため、スミ100%1回印刷では少々ムラが発生しています。このムラはスミ100%のままでも、重ねて印刷することで軽減されることがわかりました。
ヴァンヌーボV スノーホワイトに対してスミ100%を16回重ねると通常の印刷では表現ができないようなインキ感を表現することができました。まるで絵の具を全面に塗ったようなグロス感と黒さがあります。
ここまでスミ100%印刷回数と用紙の違いによる仕上がりの差をご覧いただきました。ここからは、スミ100%ではなく、CMYKの掛け合わせの黒(リッチブラック)を印刷したサンプルをご覧いただきます。
今回のリッチブラックは「C40%・Y40%・M40%・K100%」の掛け合わせです。
それでは最後に各用紙のリッチブラックとスミ100%1回印刷の差をご覧いただきましょう。
リッチブラックとスミ100%1回印刷を比べると、リッチブラックの方が深みのある黒色が表現できます。ただしスミベタも2回・3回と重ねるとさらに黒さを表現できるため、仕上がりとご予算に応じてお選びいただくのが一番かと思います。
いかがでしょうか?
今回はスミ100%とリッチブラックの実験を行いました。今回の実験で作成したサンプルは、OPEN HOUSEなどのイベントでもお見せできますので気になった方はぜひご参加ください。
今回の実験結果を活用いただき、クリエイティブの幅を広げてみてください!