印刷レポート

2023.10.30

今回の研究レポートは HP Indigo 7K Digital Press 以下(Indigo 7K)の機能にある「テクスチャ効果」をご紹介していきます。
印刷機の機能で「テクスチャ効果」って???
となる方も多いのではないでしょうか。
Indigo 7Kの「テクスチャ効果」とは簡単にいうと簡易版のエンボス効果と思っていただけると想像がしやすいと思います。
それでは、仕組みも踏まえてご紹介していきます。

まずはそのテクスチャ効果の画像をご覧ください。

写真:ヴァンヌーボLT-FS 菊判105.5kg 紙厚/約0.22mm 表面
裏面

写真を見る限り後加工のエンボス効果とほぼ変わらないように見えますね。

ではその仕組みと流れを簡単に説明します。

① 型を作成する前にまずは事前準備としてベースの印刷を行います。

表面
裏面

② 次に型を生成します。型は圧胴を使って生成します。

型を生成する場所は圧胴の部分になります。
圧胴紙:圧胴部分には写真のような圧胴紙が巻き付けられています。
デジタルモールドメディア:圧胴紙とよく似ていますが、型を作成する場合は圧胴紙の代わりにデジタルモールドメディアと呼ばれる専用紙を使用します。圧胴紙との違いはインキが定着しやすいような加工を施しています。この用紙にイエローのインキを250回重ね印刷して型を作っていきます。
イエローインキを250層重ねた型の全体写真。イエローのインキを250回通しているのでデジタルモールドメディアも全体に黄色味がかっています。
拡大写真:型の高さは約0.22mmの高さになります。この型を使って効果を出していきます。

型の準備はこれで終了です。
この型の上を①で準備したベースの用紙が4回通ることによって印刷物にテクスチャ効果を与えていきます。
ここまでがテクスチャ効果の仕組みとなります。

では次に、いろいろな種類と厚さの用紙に印刷してみましたのでご覧ください。

用紙:OKトップコート 四六判135kg 紙厚/約0.13mm
用紙が薄い分、型がしっかりと出ています。
アイベスト 11.5kg 紙厚/約0.18mm
メーカー的にはテクスチャ効果を使用するにはこの紙の厚さからの使用を推奨しています。
最初にご紹介した用紙です。 ヴァンヌーボLT-FS 菊判105.5kg 紙厚/約0.22mm
紙厚が厚くなるにつれて型は薄くなっていきます。
エスプリVW 菊判153kg 紙厚/約0.28mm
写真の撮り方もありますが他と比べて型の凹凸感は薄くなっています。

以上が今回の実験でした。が・・・・実はこの「テクスチャ効果」の実験はIndigo 7K導入当初に実験を試みてその時には失敗していたのです。
その事例がこちらになります。

失敗した当時の柄になります。今回の実験と比べても柄が複雑ですね。

印刷結果がこちら

用紙:OKトップコート 菊判76.5kg 紙厚/0.11mm  当時はこのようにシワが入ってしまいました。少し紙が薄かったかもと思ったのですが・・・
ヴァンヌーボスノーホワイト 菊判149.5kg 紙厚/0.34mm 厚紙へ変更しても部分的にシワが入ってしまいました。

以前は失敗して、今回はトラブルが起きなかった原因はおそらく柄がそこまで複雑ではないこと、柄と用紙との相性などが原因かと思います。また、導入当初の印刷機の状態なども原因の一つと考えています。

最後にメーカーより「テクスチャ効果」について簡単な注意事項などがありますのでご紹介しておきます。
●注意事項
・テクスチャ効果の品質は用紙の材質に影響することがあります。
・用紙の厚さは0.18mm以上の用紙に適しています。
・非コート紙はエンボス系の効果には不向きです。
●データ作成に関しての推奨事項
・線の太さ・・・・・・1mm以上
・イメージの密度・・・イメージとの距離が2mm以上

以上が今回の研究レポートとなります。
以前失敗した時のようにシワが入る可能性もあるかも知れませんが、今回のように問題なく印刷できる場合もあります。Indigo 7Kでこの「テクスチャ効果」を試してみたい!とお考えの方は是非、インサツビトまでご相談ください。

それでは次回の研究レポートもお楽しみに!!!

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