2022.03.04
活用技術:隆起印刷
「剪花開啦 -きりがみ さいた- 開催案内DM」
design 切り紙作家 上野文緒 様
今回は隆起印刷を使った印刷物をご紹介いたします。
この案件で使用した用紙は「ヴァンヌーボV ナチュラル」です。
ファンシー系の代表的な用紙であるヴァンヌーボシリーズ。名刺やDMなどにもよく使用されます。今回はヴァンヌーボVの「ナチュラル」という色を使いました。
ヴァンヌーボVはスノーホワイト・ホワイト・ナチュラルの3色展開です。スノーホワイトが最も白く(真っ白)、ナチュラルは黄なりの白色です。
そんなヴァンヌーボV ナチュラルを使用して制作した印刷物がこちらです。
早速印刷物を詳しく見ていきましょう。
こちらのDMのカラー面、切り絵の鳥の絵柄と「剪花開啦」という文字は隆起印刷をしています。より絵柄に注目してみると背景の緑よりもインキに厚みがあるのがわかります。これが隆起印刷です。
隆起印刷とはご覧の通り透明インキを重ねて厚みを出す手法のことです。
具体的には、まず隆起印刷以外の絵柄を印刷し、そのあとその印刷物に対して指定部分に隆起印刷をします。そのため隆起印刷で表現できるのは一番上にくる絵柄のみです。隆起印刷の上にさらに印刷することはできません。
また隆起印刷は重ね合わせの回数が決まっており、3パターンあります。それぞれ「Low=15層」「Middle=30層」「High=50層」となっており、今回は「Low=15層」を使用しました。もちろんインキを重ねれば重ねるほど隆起ははっきりとしますが、その分定着が悪くなる傾向があります。そのためどのような用紙を使いどういった表現をしたいかで隆起のパターンを決めることが大切です。
また今回の印刷物は事前にテストプリントをお使いいただき、隆起印刷ではなく透明インキを3回重ねた場合もお試しいただきました。その上でよりはっきりさせたいとご要望いただき、隆起印刷を使用することになりました。
いかがでしたでしょうか?今回は隆起印刷を使った印刷物でした!
次回の事例紹介もお楽しみに。