2023.07.10
印刷Lab.でインサツビトによる印刷実験!
デジタルオフセット印刷機「HP Indigo 7K」の特徴である特殊インキ。そのラインナップの内のひとつの「シルバーインキ」。
シルバーインキの特徴として、シルバーを刷った上にCMYKを重ね刷りすることで下のシルバーが透過してメタリックカラーを表現することができます。通常のオフセット印刷だと「青金」「赤金」といった各メーカーが販売している特色を選ぶことになりますが、デジタルオフセット印刷機ではお好みの数値を選択することでお好みのメタリックカラーが印刷できるのです!なのでインキラインナップにゴールドインキが存在しない(必要ない)んですよね。
そこで今回は「ゴールド」表現に注視してどのような仕上がりになるのか見ていこうと思います!!!
ではまず、CMYKだけで刷ったものがこちらになります。
用紙はマットコート系のシルバーダイヤです。
そしてこちらがシルバーインキ単体で2度刷りしたものです。
ギラリ!!!!
theシルバーな仕上がりになっています!混色の場合はインサツビトとしてはシルバーは2度刷りを推奨しています。このギラギラなシルバーにCMYKを重ねるとどうなるのか、様々な数値との掛け合わせてみましたので見てみましょう!※実験のためにCMYKとシルバーを分けて印刷していますが実際は1パス(1回通すだけで全色同時に印刷)で印刷できます。
それでは、ゴールドの刷り上がりはこちらになります!
ギンギラギン!!!!!
引きだと分かりにくいと思いますので、一つ一つ寄りでCMYKとゴールドを比較していきましょう!
自分的にはこの掛け合わせが一番ゴールドらしい仕上がりになったと思います。では次です。
ちょっと暗めのCMYKになるにつれて光度感が少し弱くなりますね。
今度はシアンを足すことで“青金”に寄った表現ができています。個人的にこちらのゴールドも“らしく”て好きですね!
こちらもなかなか推せる“青金”表現です!
では次からは“赤金”と“ブロンズ系”寄りのゴールドです。
どうですか!!!!!
これはかなり推せる“ブロンズカラー”が表現できていると思います!!余談ですが「銅色」のことをよく「ブロンズ」って言い方(ブロンズ箔とか)しますけど、正確に和訳すると「青銅」なんですよね、銅って英語では「カッパー」なんですよね。不思議です(笑)
やはり暗めというか濃いめの数値だとちょっと光度が低いかなぁ…
ちなみにIllustrator上でのデータはどのようになっているのかというと、、
まずシルバーインキの設定は以下のようにスウォッチに新規スウォッチで特色設定で「Silver」と名前をつけてください。大文字小文字、半角もマシン側で認識するために必要ですので正確に名前入力してください。要注意ですよ!!そしてカラータイプを「特色」に設定します。※CMYKの数値はお好みで大丈夫です。
はい!このようにシルバーインキの「特色」を塗り設定にしたオブジェクトの上に、重ね刷りしたいオブジェクトを描画モード「乗算」で重ねるだけです。単純明快です!※わかりやすくするためにわざとオブジェクトをズラしています。
いかがたっだでしょうか?シルバーインキとCMYKの重ね刷りでこれだけキレイなゴールドをお好みに設定して表現できるんです!!ただ通常のオフセット印刷と一緒で相性の良い用紙はどうしてもあって、コートやマットコートの塗工紙、b7トラネクストのような微塗工紙、ファインペーパーはグロス感の強いヴァンヌーボVといった用紙が光度感が良かったですね!あと実験した中では上質紙とフリッターも中々の光度感ありました。前述のものよりは劣りますが、、、
今回も皆さまのアイデアソースになれれば幸いです!また次回をお楽しみに!!!