印刷レポート

2024.04.24

鏡面用紙への印刷実験

印刷Lab.で行うインサツビトによる印刷実験。
今回は鏡面用紙へデジタルオフセット印刷機であるインディゴで印刷ができるか実験をしました!

今回使用した用紙は3種類です。

ハイピカE2F シルバー 120K
メタルック シルバーF 180K
セイントエコ プレーン シルバー 210K

どれもシルバーの用紙ですがシルバー感が大きく異なります。こちらの用紙へ印刷は可能か、どのくらい定着するのか検証していきました。

それでは早速実験結果をご覧ください。

まずはハイピカE2F シルバーへの印刷です。
ハイピカE2F シルバーは紙地が特徴的なマット調のアルミ蒸着紙です。インディゴはアルミ蒸着紙の印刷を苦手としてるのでどのような仕上がりになるのでしょうか。

ハイピカE2F シルバー 裏面白色

今回はプライマーをかけて実験を行いました。プライマーをかけたものとかけていないものでは、もともとマット調で紙地も特徴的なため差はあまりありませんでした。

左:プライマーなし 右:プライマーあり

実際に印刷してみたところ、ワンショットであれば定着することがわかりました。マルチショットでは定着にむらがあります。またホワイトインキで白抑えをしている方がしっかり定着していました。
印刷の安定性は、連続で10通ししてみたところ大きく差は発生しませんでした。ブランケットのこまめな交換は必要そうですが、プライマーをかければ印刷は可能そうです。

ワンショット 絵柄の後ろにホワイトインキあり
ホワイトインキを印刷することで紙地の影響はほとんど受けません。
CMYKのみ 紙地の影響を受けてメタリックな仕上がりです。
真ん中はマルチショットの印刷です。緑の線がしっかり定着していません。

続いてメタルック シルバーFへの印刷です。
メタルック シルバーFはアルミペーストをコーティングいる、こちらもマット調の用紙です。表面はなだらかで落ち着きがあり上品さがあります。

メタルック シルバーF 裏面白

マット調ということもあり、メタルック シルバーFもプライマーをかける前とかけた後で、大きな差はありませんでした。

左:プライマーなし 右:プライマーあり

印刷の仕上がりは先ほどのハイピカE2F シルバーとは異なり、マルチショットの方が定着が良いことがわかりました。ただし用紙が伸びやすいのかマルチショットでは見当ずれが発生しており、見当合わせが必須となりそうです。マルチショットはホワイトインキがある方がよりしっかり定着しているように見えましたが、ワンショットはホワイトインキあり・なしに限らずあまり定着が良くありませんでした。
マルチショットで連続10通しした結果は定着には問題はありませんでした。ただし見当の問題があるため、メタルックへの印刷を検討される場合は事前に要相談をお願い致します。

マルチショット 絵柄の後ろにホワイトインキあり
ワンショット 絵柄の後ろにホワイトインキあり 定着が悪いことがわかります。
マルチショット しっかり定着していますが見当がずれています。(特にホワイトインキ)
ホワイトインキを全面にすることでワンショットでもやや定着が安定します。
ホワイトインキを印刷しなければ上品なメタリック感が表現できます。

最後にセイントエコ プレーン シルバーへの印刷です。
セイントエコ プレーン シルバーは高い輝度と強い光沢が特徴的な非常に鏡面性の高い用紙です。これまでインディゴではこういったアルミ蒸着系の用紙の印刷が難しかったため、どのような仕上がりになるのでしょうか?

セイントエコ プレーン シルバー 裏面白

まずはプライマーのあり、なしの差をご覧いただきましょう。ほかの2種類とは大きく異なり、高輝度・強光沢であるため、プライマーをかけると明らかに濁ってしまいます。プライマーのむらがはっきりわかるため、デザインによってはむらが目立ちます。

左:プライマーあり 右:プライマーなし

印刷の仕上がりに関してはワンショットの方が定着が良い仕上がりでした。ホワイトインキがある方がより安定しています。連続で10通しした結果は定着に差は発生しませんでした。

ワンショット 絵柄の後ろにホワイトインキあり
ホワイトインキを印刷しない場合は鏡の上に絵をかいたような仕上がりになります。
左:ホワイトインキあり 右:ホワイトなし
プライマーのむらが目立ちます。

ただやはりプライマーの濁りが気になるため1枚のみプライマーなしで印刷をかけたところ、一部剥がれが発生しましたが大部分は定着していることがわかりました。

プライマーなし ワンショット 絵柄の後ろにホワイトインキあり。
一部定着していない部分がありますが、メインのイラストはきれいに印刷されています。

そのため「ポスターとして1枚のみホワイトインキだけで印刷をしたい」というような極小ロットの場合は、プライマーなしでもご対応できる可能性があります。気になる方はぜひ一度ご相談ください。

いかがでしょうか?
今回はアルミ蒸着系のシルバーの用紙への印刷を実験しました。
もちろんデザインやロットによってはできるできないは発生しますが、少しでもクリエイティブの参考になれば幸いです。
ぜひ今回の実験結果を活用いただき、クリエイティブの幅を広げてみてください!

※ワンショット・マルチショットとは?※
印刷の方式の差のことです。ワンショットは用紙へインキを1度に印刷、マルチショットは用紙へインキを1色ずつ印刷します。基本的にはマルチショットを基準としていますが、見当が厳しい場合はワンショットを使用しています。

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