CREATORS SESSION 関西編 / Case 3 鯵坂兼光

1971年⽣まれ。⿅児島県薩摩川内市出⾝。2003年より書籍販売、喫茶、ギャラリーを併設したiTohenを開設。グラフィックデザインの仕事をしながら店舗を運営。

http://www.itohen.info/

https://www.instagram.com/kanemitsuajisaka/?hl=ja


セッションのため用意した作品

Process

まず事前に刷った2作品の仕上がりの発⾊に驚かれる。マメさんとミヤザキさんの仕上がりを⾒て「⽂字が⼊っている作品もいいかも」と、持参していた別の作品を刷ってみることに。キラっとしたパール系の用紙がいいかなぁとの要望から、キュリアスメタルホワイトをご提案。さらに、銀河の作品を、シルバーインキを敷いて透明フィルムに刷ったらどうなるかも試してみることに。「ちゃんとメタリック感が出てる! でもちょっともの足りないかな…」ということだったので、同作品をCMYKだけでキュリアスメタルホワイトに印刷。「おお! 綺麗ですね!」とご満足されこちらに決定!

Interview

今回の誘いを受けて体験前までの印象は?

お客さまに納品するものは一般的に品質に安定性が求められるので、印刷においても大手の通販会社を多く使っているのが実情です。品質は安定するし価格も安く抑えられるのですが、冒険しづらいという面もあります。逆に、うちでもよく利用するリソグラフは冒険できすぎてしまう。そこで、今回、7色が一機で実現できると聞いて驚き、しかも現場に呼んでいただいて実験できるということでさらに驚きました。


最終的に銀河の作品をキュリアスメタルホワイトに刷ることにした決め手は?

銀河の雰囲気が出ればいいなと思って、それにふさわしいキラキラした紙を選びました。そのキラキラ感をさらに欲張って、透明フィルムにシルバーインキを敷くというオーダーを出したのですが、元に戻って、紙の特質を生かせるキュリアスメタルホワイトが一番しっくりきました。

体験してみていかがでしたか?

来社して最初に透明フィルムに白を敷いているのを見た時に、色がすごく鮮烈でした。一瞬、誰の絵かなと思ったくらい(笑)。印刷イコール沈むものだという思い込みがあったので。データを作り替えたりカラーアップという方法を教えていただいたりして、用紙を変えることで同じ作品でもこれだけイメージが変わるのかと、久しぶりに新鮮な気持ちになりました。

完成作品
用紙:キュリアスメタル ホワイト

今後に生かすことができそうなヒントはありましたか?

特色の可能性、印刷媒体の幅の広がり、透明なフィルムの高い再現性、どれも驚きですよね。マメさんとミヤザキさんも若手とはいえ一枚の作品を購入しようと思うと決して安いわけではない。そこで、あれだけの再現性が出せるのであれば、エディション販売という選択肢も十分にあり得るなって思いました。幅が広がり、クオリティーが高いので、良い出会いができたなと感じています。あと、20年前からデザインをしている人間としては、RGB入稿を信用しきれないところがあるんですよ。RGB入稿がOKといわれても、色が転がる可能性があるんじゃないかと。でも、それが逆にすごく効果的なのだということが驚きでした。RGB入稿、少部数、これは強みですね。

インサツビトを利用してみていかがでしたか?

滞在したのは6〜7時間程度ですけど、朝出会った時の緊張感が、やり終えた安心感とちょっとした高揚感に。コロナ禍もあって人と人とがひざ突き合わせることが減った中で、同じ現場に立って細かいところまで相談に乗ってもらえるというのは、すごく有り難いなと思いました。インサツビトのスタッフの中にデザイナーさんがいるのも、心強いと思います。このサービスをもっと多くの人に知ってもらうことができたら、利用も広がるのではないかと思います。

インサツビトへのリクエストは?

作家や、絵描きさんや、デザイナーさんなど展覧会を開きたいという人には、例えばここに額縁が10種類くらいあって、ここで額装まで済ませて、印刷物と共に販売用に持って帰れるというサービスがあったら、需要があるかもしれませんよね。スタッフの皆さんはフレンドリーだし、こんなに開かれた場所なのであれば、ギャラリースペースみたいにいろんな人の仕事が見られる場所にしてみても面白いのではないかと思います。





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