CREATORS SESSION / Case 1 三迫太郎

1980年福岡県北九州市生まれのグラフィックデザイナー。アート、工芸、生活の分野をメインにデザイン活動を行い、2019年からは太宰府天満宮の社内デザインのサポートや記録撮影も行っている。

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セッションのため用意した作品

Process

最初は透明フィルムに印刷して仕上がりを確認。その中でどれがいいかを思案していたところ、使用しているシルバーの光度が感じられるものにしたいと、⽤紙を変更。作品は、イベントの帰りに気になって撮ったという商業施設⼊り⼝の扉の持ち⼿の写真を選択。マットな仕上がりと、ギラリと光る⽤紙を試したいという要望から、ケント紙とエスプリコートで試作。エスプリコートの光沢は90年代のノリが感じられて作品の雰囲気に合っているけど、ブルーの部分にもっと光沢が欲しい。そこで、透明インキを乗せてみるといい感じに。さらに、透明インキのデータをあえて少しずらして、いかにも透明インキを乗せていますという雰囲気を出したら⾯⽩いかも! とひらめき、フィニッシュ。

Interview

今回の誘いを受けて体験前までの印象は?

原田さんのツイートで印刷機のことは知っていたので、試せるなら是非と。プリンターのようなものなら自分で買いたいなと思って調べたのですが、ここまで巨大だと仕事部屋が埋まるなと(笑)。


体験してみていかがでしたか?

印刷がすごく身近に感じられますよね。自分たちの活動にどんな風に生かせるのか、事例を見ただけでは分からないこともありますが、現場で実際にいろんな資料を見せていただいたり、印刷に関わっている方にお話を聞いたりすることで、自分ならこんな機能が使えそうだなと結びつきやすくなります。社内のいろんな機材や機械を見せていただいたことで、あれとあれを組み合わせたらどうかなとか、イメージできるようになるので、やはり現場を見るってすごく大事だなと。一度見ておけば、会社の規模が分かるので、この仕事ならあの会社にお願いするのがいいかなとか、判断材料にもなります。私は基本的にすでに決まった仕様で発注することに慣れてるので、今回も紙やインクや印刷の組み合わせを考えて、なるべく失敗は少なく、一発で決められるようにしようと考えていたのですが、そこからさらに悩めるし、一度この場を体験したことで、もう一度トライするならこんなものが作れるなというように、アイデアがふくらみます。印刷のプロやデザイナーと直接会話しながら作れるのは、すごくいいことだと思います。デザインに関する感性や知識を持つスタッフさんが入ってくれると話が通じやすいですし、一緒になって考えてもらえるのはいいですね。


最終的にエスプリVWに刷ることにした決め手は?

シルバーの出方が気に入ったのと、他の方が使っていない紙を使いたかったのと、もともとあのようなコート紙が好きなのと。あとは90年代っぽい雰囲気を出すなら、ファインペーパーではなくて、普及している安価な紙のような風合いがいいなと思って。カタログとかチラシっぽい紙に、デザイン性が高い作品が乗っているっていう違和感が逆に面白いかなと。


印刷のイメージは変わりましたか?

そうですね。思ったよりもきれいに仕上がったので。発色というか、質感ですね。例えば、コート紙に透明インクが乗ると光沢が消えて、パール調の細かい凹凸のあるサラッとした平面になるとか。何度も重ねられますし、他の方も版画に近いと言っていましたが、シルク印刷のような感じというか。印刷機に触れる機械はあまりないので面白かったです。



今後に生かすことができそうなヒントはありましたか?

予算が限られていてスケジュールがタイトな仕事だとネット印刷の利用が多くなり、オフセットの代替物としてオンデマンドを仕方なく使うことになりがちですが、この機械なら積極的に使う理由があるので、見積もり次第ではありますが、活版印刷やリソグラフと同じようにインディゴが選択肢になり得ると思います。今日は三人で来られたのも良かったです。それぞれのアプローチが違うので、原田さんたちも含めて、みんなの取り組み方が見えて楽しかったですね。



インサツビトへのリクエストは?

見本の充実でしょうか。写真とカラーチャートのサンプルだけだと魅力が伝わりにくかったので。製本されたものなど完成形を見ると想像しやすいので、実物に近いサンプルの詰め合わせのようなものを送ってもらえると、面白そうだなと興味が湧きやすいと思います。インサツビトのお客さんが実際に刷ったものを、許可をもらって資料として使わせてもらってもいいかもしれないですね。





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